「目指すべき地域生活とリンクスメンタルクリニック」~デイケアスタッフの立場か ら~

2020.10.12

皆さんはデイケアと聞いて何を想像するでしょうか、デイケアは何をするところでしょうか。目指すべき地域生活を考えるにあたり、デイケアは訪問看護、訪問診療のように地域に出てスタッフがアプローチをするものとは異なり、皆さんに通っていただくもののため、地域と直接的なつながりがないような印象を持たれるかと思います。

 

デイケアは小さな社会場面とよく表されます。目標の先が復職であれは復職に向けた負荷のかかる集団場面の提供・日中活動の場や居場所の獲得であれば、レクや料理などプログラムを通し安心して通える場所としての提供・就労希望であれば就活に向けたスキルの獲得や実践の場としての提供など…。デイケアという社会場面の中で、デイケアに通所しているメンバーが何を体験していただく必要があるかは人それぞれです。主治医やデイケア管理医との診察の中で抽出された治療目的や課題を共有されたうえでデイケアは成立しています。

 

そしてデイケアスタッフとして考えるのは当法人理念である「日常生活・社会生活におけるリカバリーとその先にあるWell-being(健康的で良い状態)」を目指す中で、ご自身の力でよりよい人生を歩んでいけると言う感覚や体験を味わっていただけるような、サポートをさせていただく事だと思っています。

 

デイケアプログラムの中で、行われる様々な出来事の中から見つけられた成功体験・正の報酬体験を少しずつ積み上げていく事で、実生活の中でも「やれる/できる」と言った自信や意欲に繋がっていくと考えます。

 

このようにデイケアは、皆さん自身が様々なスキルや思考、行動を習得し実践できるようになっていくことで「目指すべき地域生活」での営みを自分のイメージ通りに進めていける感覚を持っていってもらえる場になっています。

そしてチームとして、医師との綿密な連携を行い、メディカルサポートセンターや訪問看護・心理士などと協力し、様々な視点で多角的に検討することで快適に心地よい状態でいれるサポートをクリニックの中からしていきたいと思っています。

作業療法士 武村 彩