仕事をしていて日々感じること ~デイケア~
今月のスタッフコラムは、デイケアのスタッフで精神保健福祉士の周戸匠が担当します。
私の日々の仕事はデイケアのプログラムを運営することが多いため、その中で感じていることをお話ししたいと思います。私はSSTやCBTといった学習系のプログラムを担当することが多いです。メンバーさんからは、前に立って話すことが緊張しないのか、ストレスを感じないのかと尋ねられることがあります。もちろん、緊張しますし、不安になることもよくあります。しかし、入職したての頃は、今感じていることとは異なっていたように思います。
入職したばかりの頃は、学習系のプログラムであるため「どんな意味なのか、どんな方法なのかを分かりやすく伝えなければ」という考えが強くありました。そのため、メンバーさんから『先生』なんて呼ばれることもあり、「デイケアスタッフだから、『先生』なんて呼ばないでください」と言ったこともありました。また、プログラムが終わった後も、「ちゃんと伝えられただろうか、間違ったことを言わなかっただろうか」と、自分の間違い探しや反省に必死になっていたと思います。誰にも言われていないのに、そうした思いに囚われていました。
デイケアプログラムの目的は、プログラムを体験することだと以前から言われていましたが、「ちゃんと伝える、教える」という思いが強くなって、まるで『先生』になろうとしていたのだと感じます。
卒業したメンバーさんから「あの時のSSTは今でも覚えている」と言っていただき、ハッとさせられました。実際に体験したことの方が記憶に残ることが多いと感じています。聞くだけでも勉強にはなりますし、私自身もためになることがありますが、ためになったことはすぐに忘れてしまうことが多いと思いました。自分で考えてやってみたプログラムでは、成功したことや失敗したことが印象に残ります。
現在の私の考えとしては、プログラムの中で少しでも体験をしてもらえるよう努めています。自分の課題をテーマとして出さなくても、他の人のテーマについて一緒に考えたり話したりする体験が重要だと思っています。
デイケアに参加される際には、考えたり話したりすること、実行する体験を一緒にできればと思いますので、お待ちしています。