仕事をしていて日々感じること〜副院長

2026.03.04

リンクスメンタルクリニックと日吉心療所で統括副院長をしております、中村です。

仕事をしていて日々感じること、難しいテーマですね。皆さんがリハビリの中で、自分の気持ちや考えに目を向けている姿を見ると、本当に難しいことに取り組んでいるのだなと日々感じています。

私自身が最近感じているのは、「やると決めたことを当たり前にちゃんとやること」の難しさです。生活をしていても仕事をしていても、ふとした時にいろいろな考えが首をもたげてきます。「面倒だから後でにしようかな」「誰かがやってくれないかな」「サボっちゃいなよ」と。

つい先日、弁証法的行動療法の本を読んでいたら、「人間の脳は言語の生成マシーンであり、絶えず言葉を生み出し続けている。何も考えていない時間はない」と書かれていました。確かに、いろいろな言葉や考えは自然と湧いてきます。ただ、その声に引っ張られてしまうと、やるべきことが後回しになったりして、気づいたらうまく回っていない、ということもあるように思います。

私たちはつい、「大きく変わらなければいけない」とか、「劇的に良くならなければいけない」とか、「ものすごく頑張らないと」と考えてしまいがちです。しかし、生活や心はそんなに簡単には変わりません。少しずつ、地道に、昨日よりほんの少しだけ前に進む。そうした積み重ねをしていくことで、振り返った時に「いつの間にか変わっていた」と感じられるのではないかと思います。

ジャンプ漫画のように、熱い思いを胸に一時的に頑張ることはできても、早々にエネルギーが枯渇してしまうこともあります。それよりも、やりたいこと、やるべきこと、求められていることを受け止め、その中で「自分がやる」と決めたことを当たり前にちゃんとやる。そんなことが大事なのではないかと、最近感じています。

私自身、昨年の抱負は「挑戦」でした。自分なりに取り組んで挑戦し、得たものがたくさんありました。そして今年の抱負は『鬼滅の刃』から借りて「常中」としました。やると決めたことを当たり前にちゃんとやる。かっこよく、高尚に、綺麗にではなく、泥臭く、一生懸命に、だけど一定に高い水準を目指す。そんな一年にしようと過ごしています。気づけばもう二ヶ月。まだまだですが、少しだけ出来ている自分も感じています。

もうすぐ年度が変わります。新しい一年を迎えるこの時期は、「何かを変えなければ」と思うこともあるかもしれません。変わりたい自分をイメージしながら、やろうと決めたことを一つずつ続けてみる。その積み重ねが、気づけば一年後の自分を形作っているのではないかと思います。

最後に、11年前に俳優のマシュー・マコノヒーがアカデミー賞の受賞スピーチで語った言葉を紹介して終えたいと思います。

15歳の頃、大切な人から"君のヒーローは誰だい?"と聞かれ、
"10年後の自分"
と答えました。25歳の時に"ヒーローになれたかい?"と聞かれ、
"近づいてもいないよ! だって、僕のヒーローは35歳の自分だから"
と答えました。
人生における僕のヒーローは常に10年後の自分です。
僕は決してヒーローにはなれません。到達できないのです。
でもそれで構わないんです。
僕には常に目標とする人がいるって事だから。」
(Matthew McConaughey winning Best Actor | 86th Oscars (2014))
https://www.youtube.com/watch?v=wD2cVhC-63I
(翻訳は https://www.umareru.jp/blog/2014/05/10-4.html より引用)

ついつい誰かと自分を比べてしまうこともありますが、この言葉を思い出しながら、私自身も日々一つ一つ取り組んでいきたいと思っています。