院長 青山洋

精神科医を志したきっかけ

昔から人と関わることが好きで、一時期は教師を志していました。ある時に幼少期にかかりつけであった恩人の医師に接する機会がありました。かつてより変わらないその先生の優しいまなざし、困っている人に向き合う姿に触れ、幼少期に体験したその先生との温かい、心地よい記憶が呼び覚まされ、自分もその先生のようになりたいという想いが日々強まり、医学の道を志すこととなりました。その中でも精神科を選んだのは、精神科が患者ご本人の人生に向き合うこと、そのためにはご本人、ご家族、そして多職種のスタッフの協同作業が必要で、人と人との結びつきを大切にするというところに魅力を感じたからです。また教師になりたいという想いに関しては、大学非常勤講師として、微力ながらもお手伝いさせていただいております。

大学卒業後は大学病院や関連病院で経験を積んだ後、精神科単科の日吉病院に入職しました。この病院の、地域に根差した医療を提供しているところ、患者さん一人ひとりに向き合い、患者さんの社会復帰をめざしているところに惹かれました。そこから2016年7月に当院が日吉病院の経営に移ったのを機に10月に院長に就任しました。

メッセージ

精神科医療の役割の一つに、当事者が自立した日常生活を送れるよう、安全な地域生活に向けた調整があります。治療的介入の中の生活を「治療的地域生活」と呼ぶならば、その先のいわゆる、安心できる「一般的地域生活」を目指していくことが必要です。そのために、地域に居住する方々のため、各医療機関、福祉、行政とも連携を取りながら、状況に応じて柔軟に対応できる多機能型の精神科クリニック、「地域に一番近い精神科」を目指して、職員一同努めてまいります。

 資格

 医学博士

 精神保健指定医

 日本精神神経学会認定精神科専門医・指導医

 日本医師会認定産業医

経歴

昭和大学医学部卒業

昭和大学病院附属東病院精神神経科

昭和大学附属烏山病院精神神経科

昭和大学横浜市北部病院メンタルケアセンター

昭和大学大学院医学研究科修了

日吉病院副院長

横浜国立大学教育人間科学部非常勤講師(現職)

リンクスメンタルクリニック院長(現職)

所属学会

 日本精神神経学会

 日本臨床精神神経薬理学会

 日本うつ病学会

 日本老年精神医学会

その他

 横浜市認知症サポート医

 都筑区福祉保健センター精神保健相談嘱託医

 神奈川県立鶴見養護学校学校医(精神科)

 

副院長 中村亮太

就任挨拶

この度、令和6年1月より副院長を拝命いたしました精神保健福祉士の中村亮太です。これまでメディカルサポートセンターのスタッフとしてクライエントの日常生活や社会生活の支援をして参りましたが、これからは副院長としても邁進していきたいと思います。

江戸時代の近江商人の経営哲学に「三方良し」という言葉があります。売り手と買い手が満足するだけでなく、社会に貢献出来る商売をという考え方です。私は皆さんと一緒に三方良しのクリニックを目指していきたいと思っております。まず1つ目はクライエントのためです。当院が考える精神科医療の目的は、症状の改善だけではなく、クライエントがWell-beingを追求していける状態にリカバリーできるよう治療・リハビリを提供していくことです。そのために生物学的-心理学的-社会的視点に基づき、医師、看護師、精神保健福祉士、臨床心理士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士といった多職種によるヒエラルキーのないチーム治療を目指し、取り組んできました。そして当院が目指す目的のためには、院内スタッフだけでなく、本人、家族、友人、関係機関の支援者の力、様々な社会保障制度やインフォーマルなサービスの活用が必要になります。精神保健福祉士はクライエントがその人らしい生活を送れるように、それらの医療資源・社会資源をコーディネートし、現実社会との繋がりをリカバリー出来るよう支援しています。そのような専門職である私が副院長を担うことは、当院が掲げる治療理念の象徴でもあると考えており、その自覚を持って微力を尽くして取り組んでいく所存です。2つ目はスタッフのためです。クライエントのWell-beingを追求するのですから、スタッフ自身も働いていて安心感、所属感、自信や充実感を感じられる職場にしていきたいと思います。職場環境の改善から日々のコミュニケーション、勉強会や症例検討会の実施など、何が出来るかを常に考えていきます。最後はコミュニティのためです。2021年4月に院長である青山は「地域に一番近い精神科を目指したい」と掲げました。急速な社会の変動の中で、私達がコミュニティから求められることも変化していると感じます。過去を参考に、目の前のニーズも大切にしながら、しかし目先のことだけに囚われず、どうすれば未来のより良いコミュニティに向かって貢献していけるのかを考えていくことが医療機関にとって重要であると考えます。医療と地域生活の橋渡しを役割とする精神保健福祉士として、副院長として、地域の声に耳を傾け、当院が出来ることを考えていきたいと思います。こうしたクライエント・スタッフ・コミュニティにとっての「三方良し」が達成される医療のあり方を追求していきたいと思いますので、ご指導、ご支援をどうかよろしくお願いいたします。

資格等

精神保健福祉士

公認心理師

修士(社会福祉学)

略歴

地域活動支援センター ペガサス

日吉病院(現:日吉心療所)

リンクスメンタルクリニック

所属学会等

日本精神保健福祉士協会

日本うつ病リワーク協会

日本精神分析学会

日本心理臨床学会

心理教育・家族教室ネットワーク