仕事をしていて日々感じること〜副院長〜
年度最後のスタッフコラムは、中村が担当いたします。
新たな年が始まり、1ヶ月経ちましたね。私はいつも年末年始には1年を振り返って抱負を考え、公私共にそれを掲げて取り組みますが、今年は巳年、蛇は「復活」と「再生」のシンボルです。そんなことから死生観について考えていましたので、それについて書いてみようかと思います。
死生観とは、「生と死をどのように捉えるか」というものです。私はこの考え方を緩和ケアから学びましたが、人の生はスイッチのオンオフのように消えるものではないそうです。生とは、人が誕生して歩みを進め、そして死によって完結する連続体であり、死は生の終わりではなく、生を際立たせるものです。
お寺でロウソクをたくさん灯している光景って見たことございますか?人の生はロウソクとその灯りに喩えられます。ロウソクはそれぞれ長さ、太さ、灯りの強さ、色合いは異なりますが、どのロウソクも消えゆく運命にあり、その儚さの中で輝き続けます。灯りの消える最後の瞬間まで灯をともし、最期には強く燃えて輝き、終わりを迎えます。そのように生きて、死ぬ最後のときに「ああ、満足だった」と思えたら、それほど幸せなことはないと思います。
こうした死生観について考えながら、復活と再生の象徴たる蛇の巳年を迎えました。これまでの自分を見つめ直し、蛇が脱皮するように挑戦して古い皮を脱ぎ、より大きくしなやかな自分へ踏み出す一年にしたいと思います。たとえ変化が怖くても、蛇のように前向きに進むことで、より良い自分になれるのではないでしょうか。
日々仕事をしながら、病気になる前の「もとの自分」にただ戻るのではなく、病の体験からリカバリーし、よりしなやかな自分へと成長していく皆さんを見ていると、まさに復活と再生の道を歩んでいるように思います。私自身もそのようにありたく思います。新しい年が皆さんにとって、「再生」の象徴である蛇のように、自分自身を変化させる力をもたらしてくれる年になりますように。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
副院長 中村亮太