気分障害リワークプログラム

2018.04.30

 当院では、うつ病、うつ状態にて休職している方の復職支援のために気分障害リワークプログラムをデイケアにて行っております。休息と薬物療法により、うつ病、うつ状態はある程度回復可能ですが、その先の「回復」と「復職して通常通り働けるようになる状態」の間には、リハビリが必要となります。当院では、認知行動療法を主軸として、休職に至ったご本人側の思考の癖や対人関係パターンへの振り返りを多く持ち、復職しても再休職の無いよう支援を行っています。リワーク卒業後もフォローアップとして、認知行動療法やストレス対処・余暇プログラムを土曜日に行っています。

 一生のうち「うつ病」になる人は15 人に1 人といわれおり、うつ病は誰でもかかる可能性があり、過労や過度なストレス、孤独、将来への不安などがある場合は注意が必要です。憂鬱な気分、興味がわかないなどがある程度の期間続くのであれば、うつ病を疑い受診をお勧めします。しっかりとアセスメントをして、薬が必要な状態なのか、認知行動療法が必要なのか。ご本人を取り巻く環境の調整も含めて、サポートしていくことが重要です。

 うつ病の要因には、環境要因、身体的な問題、心理的ストレスなどさまざまあります。ストレス自体は悪いものと考えられがちですが、実は同じストレス刺激でも、その程度・強さ、受けて側の生体条件の差によって、それが良いストレスにも悪いストレスにもなり得ます。悪いものを良いものに修正することが大事です。非常に少ないストレスも悪いストレスともなります。どんな人でもストレスが無いと成長できません。自分のストレスに気付くことから、うつ病、うつ状態に向き合うことが大切です。また、ストレスによる身体的、精神的な変化に、ご本人、周囲が気付くことが大切です。それらを相談する環境をリワークプログラムにて整えております。また認知行動療法にて、うつ病になりやすい思考の癖を見直すことで、発症・再発しないようにできる可能性は十分あります。実際に薬物療法だけではなく、認知行動療法を併用すると、再発率が低いという客観的データがあります。

 当院の気分障害リワークプログラムは他院通院中の方でも通所可能です。通院されている主治医の先生との関係は治療の主軸と考えており、当院はリハビリテーションとして、うつ病、うつ状態などメンタルヘルスでお困りの方々に対してご利用いただければと考えております。またリワーク開始時期や復職時期は、ご本人の状態や主治医、企業の判断によってさまざまあり、限定しておりません。復職可能な状態かを、ご本人、主治医、企業と適宜共有させていただきながら決めていくものと考えております。復職を目指しているご本人やそのご家族、ご本人に関わる医療機関、企業の方々、気分障害リワークプログラムに対してご要望ありましたら、当院までご連絡いただければ幸いです。皆さんがより良いアウトカムが実現できるようお手伝いが出来ればと考えております。

リンクスメンタルクリニック 院長 青山 洋